娘が三年間お世話になった幼稚園は、子ども達ととことん向き合い、生きていく上でとっても大切な人としての基礎=土台を築いてくれました。
私はこの幼稚園を選んだことによって、子育てにおける自分の価値観が180度変わったかもしれません。
それでも娘が成長した今、この幼稚園を選んだことを心から良かったと思っています。
この記事では、そんなステキな幼稚園のこと、私が幼稚園選びで大切にしたいことについて綴ります。

幼稚園どこにしようかしら?
と今まさに悩んでいるあなたの、少しでも参考になれば幸いです。
ケンカはとことん!解決法は「お話し合い」
ぶつかり合いから、自己コントロール力を学ぶ
娘の幼稚園は、三年間クラス替えもなく、担任の先生も持ち上がりです。
三年間かけて、じっくり子ども達を向き合うためです。
クラス替えが無いのでお友達との関わりも濃くなり、その分ケンカや揉め事も多くなります。
娘の通う幼稚園では、ケンカは複数対一ではなく、危険も伴わない場合、とことんやらせてくれました。
幼稚園に入るまで、ケンカはいけない事だから「止めなければ…謝らせなければ…」と思っていた私にとっては目から鱗でした。
小さいうちに子ども同士のぶつかり合いの中から、どこまでならOKでこれ以上やると相手を怒らせてしまう、傷つけてしまうなどの加減を学び、自分自身を規制(コントロール)することを覚えることは、とても大切な事だそうです。
ケンカの解決法も独特
ケンカの解決法は、まず本人同士で『お話し合い』、難しい場合は担任がお互いの気持ちを引き出す助けだけをします。
そこで決して『謝りなさい』と言ったり、どちらが悪いと大人が決めつける事はありません。
子どもたちが納得できなければ、そのお話し合いは何時間でも続けられます。
本当にとても根気のいる事だと思います。
子どもたちが主体的に考える機会を多くするためには、大人はできるだけ不要な干渉をせずに、子どもたちが自ら発見し「気づく」まで待つことが大切。
まさに「待ち」の保育です。
この幼稚園では、キチキチとカリキュラムが決められておらず、それを決めるのは子ども自身だったり、またその時一番必要な事にたっぷり時間をかけてくれました。
先生の立場で考えると、カリキュラムが決められていて子どもを管理してしまった方が断然楽だと思います。
でも先生方は毎日全身全霊で子どもと向き合い、時には涙し、子ども達の心を育てて下さいました。

本当に、こんな幼稚園はなかなか無いと思います!
母にもどこまでも温かく寄り添ってくれる幼稚園
そしてその温かさは、子どもだけでなく母たちにも向けられます。
私はもう何度先生に泣きながら話を聞いてもらったか分かりません。
「不安やイライラは、○○ちゃんにぶつけず、全て私に吐き出して下さい。」といつも嫌な顔ひとつせず、何時間でもとことん向き合って下さいました。
子どもが幸せでいる為には、母が幸せでなければならないとの事です。
本当にその通りだと思います。
なので私は、今悩みの渦中にいるお母さんに向かって「お母さんなんだからもっとしっかりしなさい!」とか「どうしてこうしないの?」とは絶対に言えません。
そんな頑張り屋のお母さんに「正論」は必要無いんです。
きっとそのお母さんはもう十分過ぎるぐらい頑張っているし、「こうしたい」と思いながらもできなくて苦しんでいると思うから…
そんなお母さんを一番元気にできるのは、ただ話を聞いてあげる事、そして「本当に頑張ってるね。」と共感してあげる事かな、と思います。
これはまさに私が苦しくてどうしようもなかった時に、周りの人にしてもらいたかったことです。
それだけで、きっとまた前を向いて子どもにも優しくなれると思うから…
幼稚園選びで大切にしたいこと
正直、幼稚園選びの段階では、まだまだ勉強不足でいろいろなことが分かっていなかったので…直感で決めた!という部分も大きいのですが(笑)
娘が成長した今、改めて人間としての土台を作る幼稚園という時期に大切だと思うことは、この3つです。
自主性を大切に育ててくれる
日本の義務教育は、まだまだ上からの指示に従い、管理されることが多いと感じます。
小学校に入ってしまえば、嫌でもそういう環境に適応していかなければならないので、せめて幼児期には、「やらなければならないこと」ではなく「やりたいこと」を自ら探し、やり遂げる力を身につけて欲しいと思います。
小学校での図工の時間。
「好きなように描いてみましょう。」と言われると、鉛筆が止まってしまう子どもが本当に多いそうです。
幼稚園の頃から、指示されたことにキッチリ従う教育を受けて来たので、自ら考え、創り出すという経験が無いのです。
そんな時、輝くのが娘の幼稚園を卒業した子どもたち。
目を輝かせて、周りを気にすることもなく、夢中になって自分の好きな絵を描き続けます。

本当にステキなことですね!
関わり合いを大切にしてくれる
友達と関わり合って、ぶつかり合いながら思いっきり遊べる期間というのは、思っているより短いのかもしれません。
その大切な経験をする時期に、早期教育と言って勉強や習い事をあまりにも優先にし過ぎてしまうと、人との関わり合いを学び、取り戻すことはとても難しくなってしまいます。
幼稚園時代はたくさん友達と関わってぶつかり合って、生きていく上で必要不可欠なコミュニケーション力を育んで欲しいなぁと思います。
お勉強より心を育ててくれる
娘の幼稚園では、読み書きや英語など小学校の先取りのようなことは一切教えません。
ただ、毎日本当にたくさんの絵本を読んでくれました。
まさに美しいことばのシャワーです。
読み書き、もちろん大切です。
小学校で慌てないように、早めに準備しておくことも必要なのかもしれません。
でもたくさんのことを吸収してグングン成長するこの幼児期は、心にたっぷりの栄養をあげて、いつか大きく花開くための種まきをしてあげる時期なのかな、と思います。
「育てたように子は育つ」
心に響く相田みつをさんのことばと、児童精神科医の佐々木正美先生が語る子育ての本です。
この本には、思春期になり登校拒否・家庭内暴力などに苦しむ、佐々木先生の患者さんの臨床例が多く書かれています。
子育ての怖いところは、すぐに目に見える結果が表れないこと。
幼児期の過ごし方がいかに大切であるかということが分かるのは、何年も先…思春期になってからというケースが非常に多いのです。
ひとつひとつのことばが、本当に心に響き、自分の子育てについて考えさせられます。
今悩んでいることを、全く新しい視点で見ることができるかもしれません。

子育てをする全ての人に、是非手に取って欲しい一冊です!
まとめ
幼稚園選びにおいて、何を大切にするかは、人それぞれです。
この記事では、娘のお世話になった幼稚園が大切にしていたことについて綴ってみました。
中学生になった今、自分の好きなことを選択し、真っすぐに突き進む娘の姿を見て、それは間違いではなかったと心から思います。
この記事が今まさに幼稚園選びに悩むあなたの、少しでも参考になれば幸いです。
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